スカイ

 

今回はこちらの小説を紹介します。こちらは古本屋で見つけて購入したものです。なぜ購入に至ったかというと、まず聞いたことのある「スカイ・クロラ」という言葉。

購入時には特に調べたりもしませんでしたが決定打となったのは表紙のこの文章です。

 

「僕はまだ子供で、ときどき、右手が人を殺す。その代わり、誰かの右手が、僕を殺してくれるだろう」

 

非常に興味深い文章でした。この本には一体何が綴られているのだろうと。ある意味は好奇心で購入したといってもいいです。

“僕”がときどき右手が人を殺す。

この小説は、「僕」と表現されている「カンナミ・ユーヒチ」が主人公の物語です。彼は戦闘機のパイロットであり、新しい基地へと移ってきたのが物語の始まりです。

 

大体2~3機で戦闘へと向かい敵の様子を探ったり、撃ち落とす「空中戦争」というものが仕事です。

 

ほとんどが海の上での戦闘になることが多く撃ち落とされてしまえばそのまま戦闘機ごと沈んでしまい命を落とす可能性もあり、死の危険が高い重要な任務をしています。

同僚のパイロットもいますし、「整備士」であり新たなエンジンを開発している「ササクラ」という人物も登場します。

 

彼のおかげでカンナミは乗り心地の良い、戦闘しやすい体制に入り敵を撃ち落とすことが可能になります。

 

また、カンナミの上司である草薙水素(クサナギスイト)という女性がいます。彼女は噂ではカンナミがくる以前にいた「クリタ」という人間を殺したと。その真実は小説を読んでみてください。

 

戦闘機で敵を撃ち落としているからこそカンナミが「ときどき右手が、人を殺す」と表現されているのでしょう。

 

「例えば将来の計画は?いつまで生きているつもり?」

これは草薙水素がカンナミとお酒を飲んでいるときの草薙水素がカンナミに投げかけた質問です。

 

ここから彼女の心の内側が開かれていきます。

 

私はカンナミと草薙水素は似た者同士だと思います。

 

そう捉えたのは読んでみればわかると思いますが「生きていることに疑問を持つこと」それが彼らの共通点なんではないかなと。

今どきのことばで言う“病んでいる”とは違うニュアンスですね。

 

きっと彼らは「人を殺す」とも対に「殺される」状況で戦っていたからではないかと。そんな前線で戦い、敵を撃ち落とした後に喜びは果たしてあるのでしょうか?

 

“評価”としてはあがるかもしれません。しかし、現状は「人を殺している」戦争を知らない私だからこんなに他人事としていえるのかもしれません。

でも、少なくともカンナミと草薙水素はそれを受け止めています。

 

戦闘機を撃ち落とした後にボーリング場へカンナミと「トキノ」というパイロットと草薙水素が食事をしにいきました。その時のカンナミの気持ちとしてこう綴られています。

 

「ボールの指から離れた僕の指は、今日の午後、2人の人間の命を消したのと同じ指なのだ。

僕はその指で、ハンバーガーも食べるし、コーラの紙コップを掴む。」

 

 

彼のこの言葉は自分の行っている行動(仕事)に対して、人を殺していることに関して「正しいか正しくない」か、葛藤しているように思えました。

 

 

戦闘機の話とは知らずに読んでみた「スカイ・クロラ」男性ならば好きだと思いますが女性の私でも

つい戦闘シーンや草薙水素とカンナミのやりとりにのめりこんでしまう読みやすい作品です。

小説だけではなく映画やアニメにもなっているのでぜひ一度見てください!